概要
開催日時:2018年5月20日(日)
於:フォーデイズ・キッチンスタジオ(東京)
5月、端午の節句のお菓子といえば関東では「柏餅」、関西では「ちまき」、と地域で違っていますが、今回は江戸時代から関東で親しまれている柏餅について、都内の老舗和菓子店「雪華堂」の4代目次男でスイーツプロデューサーの佐藤さんに、家庭で短時間でできる方法をご指導いただきました。
和菓子づくりのポイントやコツ、和菓子の材料についての詳しいお話しを伺いながら、粉から練って、突いて。お餅をつくるのはかなりの力仕事でしたが、参加された方々が交代で、まさに力を合わせてお餅をつくり、蒸して冷まして、あんを包んで、柏の葉でくるんでいく。できあがってずらりと並んだ柏餅は、和菓子屋さんさながらの光景でした。
和菓子は食べた人が幸せになれるように、幸せを提供するものということで、できあがった柏餅は形式なしで楽しく食べて、お話しにも花が咲き。そしてご自宅へも幸せをお土産としてお持ちかえりいただきました。
講師紹介
「雪華堂」 佐藤圭太氏
<お話しのポイント>
端午の節句。関東は「柏餅」関西は「ちまき」
・「ちまき」は中国から1000年前に入ってきたお菓子で、当時都が関西にあったため、そこで広がったと言われている。関西の「ちまき」は上新粉でつくるお団子を笹の葉で包んであるもの。
・江戸時代、関東では武家社会の風習が強く、「ちまき」よりも「柏餅」の方が武家にとって縁起がいいことから、「柏餅」が広まった(かたちが兜に似ている、柏の葉は次の葉がでるまで落ちない:子孫繁栄・お家繁栄)。
・白い餅に柏の葉の裏が表面にくるのが小豆餡、餅がピンクで葉の表が表面にくるのが味噌餡となっている。
・もち米を笹の葉でくるんで蒸したものに黄な粉をつけて食べる、「ういろうちまき」が食べられている地方もある。
お餅の材料。上新粉はうるち米から、白玉粉はもち米から
・和菓子のお餅の材料には上新粉と白玉粉がよく使われるが、上新粉はうるち米(一般にご飯として食べたれるお米)を乾燥して細かくしたもので、お餅にすると歯ごたえがでることから、柏餅や草餅、みたらし団子、ういろう、かるかんなど多くの和菓子に使われている。
・白玉粉はもち米をうすで水引きし、沈殿したものを乾燥させたもの。なめらかな食感が特徴で白玉団子、大福餅、桜餅などに使われる。
和菓子は水分と粉でできている。水分と粉は対等に。計量がポイント
・和菓子をつくるときは粉100gなら水100cc、の対等の分量でつくる。
(水100ccのなかに砂糖が10g含まれている)
粉と水を混ぜて練ったとき、耳たぶくらいのかたさになるように
・粉の状態によって水分吸収が違うため、粉と水を混ぜて練ったときに耳たぶくらいのかたさになるように。柔らかかったら粉を足し、かたかったら水を足す。
練った粉を蒸し器で蒸すときは、表面積を拡げた形にする
・練った粉を蒸すとき、かたまりが大きいと中まで蒸されなくなってしまうため、ちぎって平らにして鍋全体をおおうように並べる。
蒸した粉はチューインガムを膨らませられる位の硬さになるまでこねる
・蒸しあがった粉は、冷やす前に押してたたいて餅つきのようにこねる。冷やしてからもチューインガムを膨らませられるほどのかたさになるまでこねる。こねればこねるほど美味しくなる。
かたさのチェックは手よりも舌で
・手よりも舌の方が敏感なので、粉のかたさのチェックは舌で行う。
調理実習&実食
皆でわきあいあいと、楽しく調理実習することができました。
メニュー
<柏餅のつくり方>
・上新粉・・ 100g
・こしあん・・ 200g
・柏の葉・・ 6枚
・蒸し器
・麺棒
・電子レンジ
①上新粉に水(分量外100cc)を入れ全体が一つになるよう、切るように混ぜ合わせ、耳たぶくらいの柔らかさにする。
②適当な大きさにちぎって平らにして20分蒸す。
③餡のかたさを調整する(市販のこしあんは柔らかめなので、様子を見ながら電子レンジで加熱し水分を飛ばす)。手の甲でさわってくっつかないかたさが目安。
④かたさの調整をしたら冷蔵庫などで餡の熱をさましておく。
⑤蒸しあがった上新粉をなめらかになるまで麺棒でついて混ぜていく。
⑥ひとまとまりにした生地を水につけ、冷ます。
⑦生地を再度麺棒でなめらかになるまで練り、ひとまとまりにしたら30gずつにわけておく。
⑧熱が取れた餡は20gずつに分け、まるめておく。
⑨生地を楕円に伸ばし、餡を包んで柏の葉をまく。