シニアの食と健康に関する調査
<調査概要>
■調査目的:アクティブシニアと非アクティブシニアを比較し、健康面と食生活の実態を把握する。
■調査対象: 65~84歳の男女
■調査地域:全国
■調査方法:インターネット調査
■調査時期:2019年9月25日(水)~9月27日(金)
■有効回答数:834サンプル
※本調査におけるアクティブシニアと非アクティブシニアの定義
65~84歳の男女約3万人に対しスクリーニング調査を行ない、
・運動についてはよく行っている
・趣味や生きがい、日々の楽しみをよく行っている
・家族や友人とよく外出する
この3項目すべてにあてはまる人をアクティブシニア層(417人)、すべてあてはまらない人を非アクティブシニア層(417人)と定義し、この2つを合わせた計834人に本調査に進んでもらった
<調査結果の概要>
(総括)
◆運動や、趣味・生きがいの楽しみをよく行い、家族や知人とよく外出する生活習慣を持つアクティブシニアは、健康のための食や食生活にも積極的で、その結果、92%が健康だと実感しており、ストレスや健康における不安も少なく、幸福実感も90%と高い。
◆一方、運動や、趣味・生きがいの楽しみ、家族や知人との外出の生活習慣をさほど持たない非アクティブシニアは、食生活にも消極的で、健康実感が低く、体力・運動機能の衰えに関する不安が顕著。幸福実感も32%と低かった。
◆人生100年時代に向けて、健康で幸福なアクティブシニアとなるためには、「適度な運動」「趣味・生きがいを持つ」などの生活習慣に加え、「食生活に気を使う」ことが大切といえる。
◆タンパク質・アミノ酸・核酸 の関係の理解度では、「タンパク質が生命活動に欠かせない三大栄養素のひとつである」ことは全体の83%が知っていたものの、「食事から摂取したタンパク質がアミノ酸に分解されて吸収される」ことを知っていたのは36%、「細胞内でDNA・RNAの働きによりアミノ酸からタンパク質が作られる、そしてDNA・RNAが核酸と呼ばれる」ことまで知っていたのは全体の13%にとどまった。
1. 健康について
- 運動や、趣味・生きがいの楽しみをよく行い、家族や知人とよく外出する生活習慣を持つアクティブシニア層は92%が健康だと実感しており、健康における不安も少なく、幸福実感も90%と高い。
- 上記の生活習慣をさほど持たない非アクティブシニア層は、健康実感が低く、体力・運動機能の衰えに関する不安が顕著。幸福実感も32%と低い。
- アクティブシニア層は、趣味・生きがい、運動、外出だけでなく、「食生活に気を使い」「ストレスをためない」という生活習慣を実施している。
2. 食生活の実態
- アクティブシニア層・非アクティブシニア層ともに1日3食が主流だが、アクティブシニア層のほうが「3回」食べている割合がやや多い。
- 1日3回未満の割合が最も多いのは「非アクティブシニア層の女性80-84歳」で、この層の4人に1人が1日3食未満であった。
- 家族、友人など、「誰かと一緒に食事を取る回数」は、朝/昼/夕/間食のいずれもアクティブシニア層の方が多い。
- 1人で食事をする「孤食の回数」は、朝/昼/夕/間食いずれも非アクティブシニア層の方が多い。
- 朝における主食では、アクティブシニア層はパン食が多く、非アクティブシニア層ではご飯食が多く、逆転している。
- 非アクティブシニアは朝の主食で色々なものを食べている。
- 全体に朝・夕食は週5日、昼食では週4日程度自炊している。
3. 食生活に関する課題と取り組み
- 非アクティブシニア層はアクティブシニア層に較べ、「食の細さ」「野菜不足」「食に対する興味・関心の薄れ」や「料理の面倒さ」など、食生活における課題を多く認識しているが、改善意欲は低く、非アクティブシニア層は食生活に対しても消極的であるといえよう。
- アクティブシニア層は非アクティブシニア層に較べて、食生活の課題は「特にない」が37%と最も多いが、食生活の改善意欲は高く、既に「様々な食品(肉・魚・野菜等)を取っている」などの実行率も高く、アクティブシニア層は食生活に対しても積極的であるといえよう。
4. 栄養素の摂取実態・意向
- アクティブシニア層はどの栄養素においても、摂取意向率、摂取率ともに非アクティブシニア層よりスコアが高く、栄養素の摂取に関しても積極的といえる。
- 三大栄養素であるタンパク質・炭水化物(糖質)・脂質のうち、摂取意向率が上位なのは「タンパク質」のみで、「炭水化物」「脂質」に対しては、取るべき栄養素としての認識の薄さが浮かび上がった。
- 「タンパク質」の摂取意向は、アクティブシニア層では1位の82%と重要な栄養素としての理解の高さがうかがえるが、非アクティブシニア層では4位40%と半分のスコアであった。
【栄養素の摂取意向率・摂取率】(%) ※摂取したい栄養素は全体ベース(N=417) ※接種率は接種意向者ベース
5. 「タンパク質・アミノ酸・核酸」の関係に関する理解度
- 「タンパク質」「アミノ酸」「核酸(DNA・RNA)」の関係の理解度を聞いたところ、「タンパク質が生命活動に欠かせない三大栄養素のひとつである」ということは全体の83%が知っていたものの、「食事から摂取したタンパク質がアミノ酸に分解されて吸収される」ことを知っていたのは36%、「細胞内でDNA・RNAの働きによりアミノ酸からタンパク質が作られる、そしてDNA・RNAが核酸と呼ばれる」ことまで知っていたのは全体の13%にとどまった。
- アクティブシニア層は非アクティブシニア層より、すべての項目で知っている人の割合が高く、栄養に関する知識が、摂取率や摂取意向の高さに繋がっている様子がうかがえる。
【タンパク質・アミノ酸・核酸の関係について】(%)
※全体(N=834) ※アクティブシニア層(N=417) ※非アクティブシニア層(N=417)
6. メディアの利用実態
- アクティブシニア層は非アクティブシニア層よりも新聞購読率、スマホ所有率ともに高く、情報感度も高いといえる。
- アクティブシニア層は約6割がSNSを利用しているが、非アクティブシニア層の利用者は約4割。
- アクティブシニア層の半数がLINEを利用しており、人との交流、コミュニケーションが活発であると推測される。